KIRACO(きらこ)

Vol136 講談修学旅行・静岡編

2019年5月8日

一鶴遺産

講談修学旅行・静岡編

 私が主宰する静岡の教室「講談道場」は、平成21年9月27日、二代将軍秀忠の生母・西郷局をまつる徳川ゆかりの宝台院で、講談の基礎編、家康最大の御難を描いた「三方ヶ原軍記」を叩こうという謳い文句で第一回を開講。二ッ目だった私は、「人様に教える事は自らの研究にもなるから。」と亡き師・一鶴の許しを得た。以来月一度の講座を重ね、今年は10年の節目。平成26年に開講の東京校との、合同発表会を1月13日に開催した。5才~70代までの男女10名の生徒が約100人の観客を前に熱演。地元FM局DJの飛び入り参加など、過去最高の盛り上がりの様子が、翌日の静岡新聞に掲載された。

 講談は、お客様に聞いて頂いてこその芸。生徒には、なるべく多くの発表の場の確保と、講談本等資料のやりとり、芸の刺激にもなると、東京・静岡の会員の他、一鶴の素人弟子達など、愛好家同士の交流を推奨。話の説得力をつけんが為、講談の舞台となった場所へ足を運び、見聞を広める活動も。発表会前日、名古屋・函館に続く三度目の「講談修学旅行」は、貸切バスで静岡・清水を巡る旅。大御所の居城・駿府城公園から、次郎長親分が眠る梅陰寺など清水港辺り。世界遺産・三保松原を経て、目玉は国宝「久能山東照宮」。落合偉洲宮司には、静岡後援会相談役のご縁で、真打昇進時に、口上書きの表紙に筆を取って頂く。家康公が外国国王宛て書状に用いたという印が押されてあり、恐縮。全国を飛び回る宮司に代わり案内下さったのは、姫岡恭彦権宮司。久能山を知り尽くした権宮司の解説に感心しきり。一般は入場不可の本殿、かつて御三家が着席した畳から、家康・信長・秀吉の三英傑を拝し奉った後は、家康公御墓所へ。亡骸は、日光へ遷されたのでは?などとおっしゃるなかれ。4月17日のご命日には、今でも徳川御宗家が久能にて御供養をされる事が、今も神君家康公がここにおわするという何よりの証。そういえば、10年程前の供養祭で、御宗家夫妻・尾張様の御前で「三方ヶ原」を口演させて頂いた。夜景の日本平を堪能し、英気養う大宴会で締めくくり。かくのごとく特別な体験と、全国に友達の出来る講談教室東京校は、西日暮里にて毎月第三火曜日13時~。詳細はみのるプロまで。

田辺鶴遊(たなべかくゆう)
講談師。師匠没後は宝井琴梅門下へ。平成27年真打昇進。