Vol140 「温」古いものから新知識

「温」古いものから新知識

温の字の右上、日の部分を旧字では囚と書いた。今は一画少なくなった。意味はあたたかい、が中心。この字から連想する語は何だろう。

温度・温泉、温顔・温情、温故知新・温習などが思い浮かぶ。この中からいくつかを取り上げ、いま話題の地球温暖化をあえて離れたところで、駄弁を弄してみようというのが今回の魂胆。

まずは、あたたかい・あたたかさなど。温暖・温床とオンと読むのが普通だけれど、蒸し暑いの温気はウンキと読む。温度計には華氏と摂氏と二通りある。華氏温度は考案者のドイツ人ファーレンハイトの中国音訳、華倫海によるもので、アメリカなどで使われている。一方の摂氏はスウェーデンのセルシウス、摂爾思による。ともにカ氏、セ氏とも書くが漢字で書くほうが多いし、中国音訳をそのまま使っているのもおもしろい。

日本人の大好きなものに温泉がある。温泉学の権威植田理彦( みちひこ) さんから伺った話を孫引きするので、ご参考に。

①スケジュールは余裕を持って
②入浴前三十分は休憩を
③高齢者は一人で入らない、朝湯は止める 
④かけ湯を充分に
⑤飲酒後と長湯は危険
⑥水分を充分に摂る
⑦半身浴がいい

次は、あたたかを人の性格の上に移して、おだやか・やさしいの意味。温厚篤実(穏やかで人情深く、誠実なこと)・温順敦厚( とんこう) を始め類義語が多い。まるで私のことを言っているみたいと言いたいところだが、これはウソ。対義語の傲慢不遜(おごりたかぶって、他人を見下した態度をとる)が似合っているよ、と言われたら困っちゃうな。

もう一つはならう、復習をする。温故知新(古いものの中から新しい知恵・知識)は『論語』の中の言葉。時代を超えて常に新鮮さを保ち続ける、いい言葉である。