KIRACO(きらこ)

Vol148 「苺」食べているのは茎

2021年3月25日

漢字を楽しむ

「苺」食べているのは茎

小学一年生の孫娘と苺を食べながら、お母さんに草の冠をかぶせたものなあ~に?

答えは苺、などと遊んでいたら覚えてしまった。草の冠とか、お母さんの・・はオッパイだから二つあるとか、ついでに教えてしまった。草冠や母の字は、そのうち学校で教わるはずだけれど、その二つが合体した苺は常用漢字表に入っていない。しかし、八百屋の店先では見かけるし、表外漢字を小学生が知っていたからといって法律違反で補導されることもあるまい。大好きなものを食べながら覚えれば、いい気分のはず。

日本にも在来種の苺があった。「モリイチゴもノウゴウイチゴもともにその実はオランダイチゴそっくりで、ただ小形であるばかりである。その形、その色、その香り、なんらオランダイチゴと変わりはない。わが邦の園芸家がこれに着目し、大いにその品種の改良を企てなかったのは、大いなる落度である」と憤慨しているのは牧野富太郎博士である。

現在苺といえばオランダイチゴ。江戸時代にオランダから輸入されたもので、別名西洋イチゴ。そのイチゴの実を食べているものとばかり思っていたら、違っていた。先程の牧野博士の『植物知識』にはこうある。

「このオランダイチゴ、すなわちストロベリーの食うところは、その花托が放大して赤色を呈し味が甘く、香りが有って軟らかい肉質をなしている部分である。人々はその花托すなわち茎の頂部、換言すればその茎を食しているのであって、本当の果実を食っているのではない(一緒に口に入って行けども)。されば本当の果実とはどこをいっているのかというと、それはその放大せる花托面に撒布している細小な粒状そのものである」

路傍のヘビイチゴ。気味も悪いし、有毒というが、実際は無毒。名前で損してる。