KIRACO(きらこ)

vol146 東京湾より令和を見る(25)

2023年11月23日

湊町暮らし

プーチンが期待を込めて発射した月面南極着陸船が月面に激突し消滅。卑劣で破廉恥なプーチンの戦争軍事特別作戦の失敗を国民の耳目から遠ざける企みが露と消えた。一方、なぜウクライナに侵攻したのか。クリミア半島と同じく、なんの抵抗もなく数日で占領できる、と思い込んだ。

司馬遼太郎が1989年刊「ロシアについて—北方の原形」に「9世紀になってやっとウクライナのキエフの地に、ロシア人の国家(キエフ国家)ができたということは、ごく小さな規模とはいえ、ロシア史を見る上で、重要なことだと思います」と。プーチンはウクライナは元々ロシアで、そして西側がロシアの脅威だと云っていた、それは「氏より育ち」ロシア史にある、キエフ時代、この時被征服者としてモンゴルのチンギス汗の孫バトラ大征服軍は騎兵戦法、投石機その他城塁破壊機も、矢はどの民族の矢よりも遠くへ飛ぶ、そして火薬も用いた新兵器だ。

ロシア平原の代表的都市モスクワはモンゴル人によって破壊され人々は虐殺されつくした。キエフも瓦礫の山に。この征服軍は遊牧民のキプチャク汗国。農耕民族を支配した。今日もこうした背景があって「外敵を異様に恐れるだけでなく、病的な外国への猜疑心、そして潜在的な征服欲、また火器への異常信仰、それら全てがキプチャック汗国の支配と被支配の文化遺伝だと思えなくはないのです」とロシアの原風景に記している。

ロシア国内で市民が特別軍事作戦を戦争というと国家反逆罪で犯罪者に。片や軍事作戦はウクライナの「ナチス」討伐で正義の戦いだと。一方小中高等学校の教科書に即刻特別作戦はロシアの国益にとって正しいものと記し愛国心を強調。授業では西側の侵略を防ぐ為の軍事訓練も取り入れている。

ウクライナ戦争は戦場がウクライナ領土で行われ破壊が一方的でロシアは無傷に近い。西側の経済制裁がどれほど効果があるのか疑わしい。LNGを欧州に輸出する程で、ガスも石油も持つ、食糧も小麦の輸出国、考えるに自給立国だ。合わせて原子力発電所建設ではロシアのロスアトムが世界一のメーカーだ。その訳は燃料の濃縮ウラン、原子炉、排出するウランゴミそして技術者まで教育する、此等をセットにした商売を展開しシェアを誉ってる。その上原子炉は危険なので経済制裁から除外され商売は順調だ。

プーチンは隣国の北朝鮮のキムジョンイルに接近。ウクライナ戦線で消耗する弾丸や砲身が必要、ジョンイルは人工衛星打上に失敗続き、渡りに船、立場は同じ、二人は手を結んだ。プーチンにロケット技術が詰まった極東のボストーチヌイ宇宙基地に招かれたジョンイルは満面に笑みを浮かべ喜んだ。プーチンはナポレオンやナチス独のモスクワ攻めが厳冬の中持久戦で撃退し勝利した歴史から長期戦になれば絶対負けないと考えている。西側は各国の事情が有り息も絶え絶えだ。民主主義国家には選挙が有る。米国とEUの支援にウクライナと民主主義の命運が懸っている。

旬の味「スズキのカルパッチョ」

秋の天候は秋雨前線、太平洋と大陸高気圧の交替など、天候は不安定だ。網船2隻、運搬船、裏漕ぎ船、合せて4隻で操業の巻網漁業は時化に弱い。単船操業の底曳網漁は時化に強い。そんな訳で大平丸の予期しない休漁が続く時は、当てにした魚が無く、底曳船から魚を買う。12名の飲み会、刺身、生姜、酒、醤油で煮魚。イタリアン、カルパッチョ、極薄の切身、ボウルにオリーブ油と塩とレモン汁を、塩が滑らかになる程磨り潰し掻き混ぜる、ドレッシングの出来上り。坂東葱とトマトを細切して振り掛ける。