KIRACO(きらこ)

「飲」唾液なくなれば補給

2025年1月30日

漢字を楽しむ

飲むというと、飲兵衛の頭にはすぐお酒が浮かんでくるはず。それが、ご名答。今は飲の左側が食になっているが、篆文では今と酉を上下に並べ、その右に欠(大きく口をあけている人)。

音符の今は含むと同じで口に含む。何を含むかというと、酉。酉は酒壷の形で酒のもとの字。つまり、口に酒を含むの意味から、のむの意味を表した。今と酉は後に食となって、欠と組み合わさり、飲となった。だから、安心して、まあ一杯どうぞ。

アルコールはだめなのです、という方。飲むのは水、白湯、お茶、コーヒー、紅茶、牛乳、その他何でもよろしい。ただし赤ちゃんは母乳がいちばん。

人間の身体はその六割が水分だという。毎日知らない間に蒸発する水分、汗となり尿となって水分は体外に出てゆく。だからこれを補う必要が生じる。最近の健康読本をのぞいてみると、水分補給を大きく取り上げている。朝起きたらまずコップ一杯、風呂の前と後に、就寝前にもと、必ず水分を摂るように勧めている。ということは一般に水分摂取量が少ないから。

身体の中で必要は水分がなくなり、脱水症状が現れると、これは命取りになる。昔は三日コロリと恐れられたコレラも、今では水のおかげで助かるようになってきた。ちなみに、コレラはインドのガンジス川上流一地域限定の風土病であったもの。それが一八一七年、イギリスの軍艦乗務員によって外国に運ばれ、世界的流行を見せたのだという。

水はどのくらい飲んだらよいのだろう。まず唾液が充分に出ているかどうかで判断する。のどが渇いていたら水を飲む。コップ一杯を飲んでしばらく様子を見る。ガブ飲みをするとかえって調子を崩すことになるから、要注意。

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