笑う門には福来るという。笑うということは健康にとってプラスの効果絶大だという。これは科学的にも実証されているが、残念ながら私には詳しいことは分らない。かいつまんで言えば、次のようなことがものの本には書かれていた。
① 笑いはNK(ナチュラルキラー)細胞を活性化させるので、免疫力をアップさせる。血液中の白血球が変化してできるNK細胞は、体内で病原菌やがん細胞を攻撃する。
② 笑いはストレスに打ち勝つことができる。笑うと心身をリラックスさせる役目の副交感神経が優位になり、◎唾液や涙が増える ◎血圧が安定する ◎心拍が減少する ◎胃腸の働きが活発になる ◎消化が促進される ◎血管が拡張される、などの効果でストレスに身体が負けないようになる。
笑という字を、竹籠をかぶせられた犬が戸惑っている様子がおかしいから、と笑ってしまうような説明もある。正しくは、髪の長い巫女(神に仕え、神のお告げを人に告げる女)の象形文字ととるのがいいらしい。竹の部分は長い髪の象形が、次第に変形したものだという。
山笑う、という語が俳句の季語にはある。
故郷やどちらを見ても山笑ふ 子規
腹に在る家動かして山笑う 虚子
など。早春の、さほど高くもない山々の樹々が潤いを帯び、春の日に照らされた山ののどかで明るいさまをいう。
私ら男女十名ほどは毎年新美亭に集まる。炉を囲み、手作りの料理が並ぶ。竹筒で温めた美酒を真新しい竹盃で酌み交わす。談笑の総仕上げは蓬入りの餅を皆して搗、賑やかに賞味する。この日、何をもって海老が焼けたとするかが話題になった。正解は、海老を真正面から見る、海老の顔が笑ったときが焼けたとき。主人の飯岡新治さんは特別講義を済ませてから、笑顔をそのまま手土産として包んでくれた。
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