
もうすぐ国際的な「きこえない・きこえにくい人のためのオリンピック」、デフリンピックが東京を中心に開催されます。習志野市で活動する手話サークル「羽の会」の方にデフリンピックの見どころや普段の活動などを伺いました!
デフ(Deaf)とは英語で「耳が聞こえない」という意味で、デフリンピックは、国際ろう者スポーツ委員会(ICSD)、すなわち障がい当事者であるろう者自身が主催し運営するデフアスリートを対象とした国際スポーツ大会です。オリンピックと同じように4年に1度、夏季大会と冬季大会がそれぞれ開かれます。世界中から集まった参加者は、国際手話によるコミュニケーションで友好を深めます。
東京2025デフリンピックは1924年にフランスのパリで第1回が開催されてから100周年の記念すべき大会であり、日本では初めての開催になります。
間近に迫ってきたこの東京2025デフリンピックを、今月号と次号の2回にわたってご紹介していきます。
その前に、まず習志野市内のろう者の皆さんの普段の活動をご紹介していきましょう。
習志野市には、「手話を学び、手話で交流し、手話で活動し、手話を活かす」ことをモットーに、社会福祉活動において耳の聞こえない人と関わる4つの団体があります。
・習志野市聴覚障害者協会
耳が聞こえない・聞こえにくい人が集い、親睦を深めています。手話サークル「羽の会」と共に市民への理解を広める活動をしています。
〈手話デー(交流会)〉 第2日曜日 13時30分〜16時30分 中央公民館北館1階
・習志野市手話サークル「羽の会」
聴覚に障がいのある方たちと交流しながら共に学び、暮らしやすい社会をめざして活動しています。
〈活動日〉 第1・2・3水曜日 19時30分〜21時00分 中央公民館北館1階
・ぽっかぽか
ろう重複障がいの方、高齢聴覚障がいの方、聴覚障害者協会員、羽の会会員が手話でおしゃべりをしたり、レクリエーションをしたりしながら楽しく交流しています。
〈活動日〉 第1・3木曜日 10 時00 分〜13時00分 中央公民館北館1階
・グー・チョキ・パー
福祉ふれあいまつりのバザーに向けて手作り品を作ったりしながら、ろう重複障がいの方たちが仲間と集って交流しています。
〈活動日〉 第2・4木曜日 13時30分〜15時30分 サンロード津田沼5階

さて、話をデフリンピックに戻しましょう。
第25回夏季デフリンピック競技大会東京2025は、2025年11月15日から26日までの12日間、東京体育館、駒沢オリンピック公園総合運動場、有明テニスの森、東京武道館、伊豆大島、日本サイクルスポーツセンターなどを会場として、世界の70~80の国と地域から約3000人の選手と審判・スタッフなど約3000人が参加して行われます。
行われる競技は、陸上、バドミントン、バスケットボール、ビーチバレーボール、ボウリング、自転車(ロード・マウンテンバイク)、サッカー、ゴルフ、ハンドボール、柔道、空手、オリエンテーリング、射撃、水泳、卓球、テコンドー、テニス、バレーボール、レスリング(フリースタイル・グレコローマン)の21競技。オリンピックでおなじみの競技が多いですが、伊豆大島や日比谷公園で行われるオリエンテーリングや、東大和市のボウリング場で行われるボウリングは、まだオリンピックでは採用されていない競技ですね。


いずれの競技もルールはオリンピックとほぼ同じですが、きこえない、きこえにくい選手のための「視覚的保障」がなされた競技環境の下で競技が行われます。
たとえば、陸上競技や水泳競技では、フラッシュランプを使って選手にスタートを知らせます。サッカーやラグビーでは、反則などが起きた時に、審判がフラッグまたは片手をあげることで選手に知らせます。また、競技会場では選手同士が耳の聞こえない立場でプレーするという公平性を保つため、補聴器や人工内耳の体外パーツ等は装着することができません。
では次号では、後篇として、実際にデフリンピックで活躍された選手のインタビューや、習志野市聴覚障害者協会会長の日頃の想いを綴ってお届けします。乞うご期待!
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