マンションなどの一人住まいの女性の間では蛇をペットとしている人が多いそうで。真偽のほどは定かでないものの、蛇は物静かである、強い臭いを発散しない、大食漢ではないし、飼育に手間がかからないなどが人気の秘密という。
昔の同僚に蛇を飼った男Nがいた。Nとの対談が『リポート磯部』に載せてあった。
N 蛇は大人しく、飼いやすいですね。嫌いとか怖いとかいう人がいるでしょう。あれは正体不明が原因ですよ。正体が分かれば対応の仕方が分かってくる。好きとまではいかなくても、少なくとも嫌いではなくなりますよ。
——どんな風にして飼いました?
N 最初は失敗。トグロマキミイラの出来上がりでね。二度目はドジョウを無理に呑み込ませました。カエルを餌にするのは忍びないですからね。学習の効果でしょうか、後はシャーレの中のを自分で。これがまた下手なんですよ。目が悪いんですね、よく見えない。
——でも、卵や雀のヒナをねらうでしょ?
N あれは温度差ですよ。鶏が卵を抱いて温かくなっている。雀のヒナは体温が高い。
——そうすると、蛇が人に噛み付くのは、蛇の過剰防衛ではなくて、人間の体温を餌だと思って飛びつく……。
N そうです。ハブの前に水を入れたゴム風船を置いても反応しないのに、お湯を入れたのには俄然跳びかかる。夏の夜、一五~二〇度が動きやすい。三〇度以上は獲物です。ゴム引きの長靴を履いてないと危ない。
N 水槽の中でヤマカガシを飼った。中段にスノコを入れ、網の上に土を入れて飼う。下に温水を入れて置けば冬眠しない。餌はあまり食わない。ドジョウ一匹で一週間。
——なるほど、蛇の肥満児、見たことないですね。常夏の国で冬眠しろも無理ですねぇ。
他の記事を読む
