KIRACO(きらこ)

Vol145 「青」世界中で好まれる色

2020年10月1日

漢字を楽しむ

「青」世界中で好まれる色

秋は空が青く澄みわたる季節である。初めて宇宙から地球を見たユーリ・ガガーリンは「地球は青かった」の名言を残した。

青い地球の表面は海に広く覆われている。海はどうして青く見えるのか。それは太陽の光のうち、赤の波長の光を海の水が吸収してしまい、残った色の波長だけが見えることになるから。水深十五メートルになると、赤の光はもとの強さの四分の一に減少するという。だから、より青い海ほど水深があるということになる。

青色のイメージは、知性・理性・平和・冷静・清潔・自立・安心・信頼・広大・無限といったもので、本来青い地球には人間の醜い争いは無関係なはずなのだが。

青は世界中で一番好まれる色だそうだ。日本人は川の水の色として、ヨーロッパ人は地中海のコートダジュール(紺碧海岸の意)の海の色として、アメリカ人はスカイブルーに重ね合わせる傾向があるという。

青という字はもとの形は靑。今からざっと三千年前に鋳造された鼎などの青銅器に彫られた金文で見ると、上が生となっていたので音がセイ。下の円は丹、井戸の形でその井戸から硫黄を含む土石を掘り出し絵の具の材料にしたものという。朱も靑も鉱物質の絵の具であるから変色しない。器に塗ることによって神聖なものに仕上げたと思われる。青の字を辞書で引いてみると、青の部にある。青の部は靖・静を含むものの本当にこぢんまりしている。その中に青を横に二つ並べた文字があった。漫と同じに、そぞろと読む日本製の漢字、つまり国字であった。

日本語の青の範囲は極めて広い。古くは黒や白までも指した。現代では交通信号を見れば分かるとおり緑色系統をもいう。

最近、慣用句が危ない。青田買い・青息吐息・青菜に塩、などが相当揺れている。読み方で注意しないといけないのは、刺青・万年青・緑青など。