KIRACO(きらこ)

Vol155「味」ネコは味オンチだって

2022年6月2日

漢字を楽しむ

コンビニの店頭にはさまざまな「味」が並んでいる。塩味・醤油味・味噌味・カレー味・ピ
リ辛……。

西洋人は味を四つに分ける。甘い、すっぱい、塩辛い、ピリッと辛いの四種である。中国には五味という言葉がある。酸(すっぱい)、苦(にがい)、甘(あまい)、辛(からい)、鹹(しおからい)の五味調和が料理の基本である。日本はこれに「うまい」を加えた六味であると、樋口清之博士は梅干や鰹節を例に挙げて説かれた。

では、ここで問題。もう一味加えると何? 結構難しい。そう、正解は唐辛子。ま、頭の柔軟体操です、笑って許してください。七味とは唐辛子、ゴマ、ちんぴ(みかんの皮)、ケシの実、菜種、麻の実、山椒などを砕いて混ぜたもの、たった今食卓の上のものでにわか勉強したばかり。

そうそう、味は、口+ 未で、未は微妙な味を口に感じるから、味はあじわうの意味を表す、という。その他の説もある。

いろいろな味を感じるのが舌、その表面はザラザラしていてツブツブが一面に並んでいる。
ツブツブを拡大してみると、花のつぼみのようなのがあり、これを味み ら蕾い という。口に入った食べ物が噛み砕かれて、唾液と混じって溶けると、味蕾の先の小さな孔から入って味を感じる細胞を刺激する。その刺激が神経を伝わって脳に送られ、味が分かる。こういう仕組みになっている。味蕾は舌にばかりあるのではなく、のどの奥にもある。だから本当の酒好きがチビリチビリやるのは理にかなっている。

熱い食べ物が苦手な人を猫舌というが、猫は甘いも辛いも分からない、味覚オンチなんだって。私には猫の餌を横取りして試食してみる元気はないが、いつか奈良の若草山で鹿の餌を買い、周囲の期待に応えて味見をした若者が、たった一言「マジーィ!」