KIRACO(きらこ)

Vol156 「食」恐竜はなぜ滅びたか

2022年8月25日

漢字を楽しむ

戦中戦後の食糧危機からは遠のいたかに見える。あの苦しかった時代を経験した人も次第に少数になりつつある。そして今や飽食の時代といわれるが、果たしてそうだろうか。日本の食料自給率三十九パーセント、これでよいのだろうか。

食糧がなければ生きてゆくことは困難だ。あの巨大な恐竜にしても例外ではなかった。彼らの食糧であった木の葉も草も、地球が氷河期に入って緑が枯れてなくなってしまった。彼らは陸から海へ活路を求めた。ただ水辺の食糧は少なすぎた。こうして、恐竜は生き延びることはできず、死に絶えた。

自然界の生あるものを食い荒らしたり挙句に滅亡した恐竜の姿は、人類の未来を暗示してはいないだろうか。そうならないためにも、特に農業のあり方について、農業の素晴らしさ・重要性・楽しさ、食糧の自給等々について考えていく必要がある。

恐竜時代の後にも小動物たちは生き残った。その中に行動力に優れたサルがいた。樹上生活のサルは木から下りてヒトとなった。狩猟をし、農耕をして、生き延びてきた。そこには食糧があった。飢えるに備えるノウハウと、それを継承する手段があった。

ところで、食の字であるが、食器に食物を盛った後、それにふたをした形に象かたどったもの。食べ物・食うの意味を表す。毛筆を使う機会が減ったせいか、食の最後の筆順がおかしい人が多い。テレビを見ていると有名人にも結構いる。Kの順に書けば何ということもないのだが。

この食の字を初対面の外国人はどう見たか。駐日米軍の新聞スターズ・アンド・ストライプスには、食の字がパーマのドライヤーをかぶって本を読んでいる女、として載っていたという。もちろん、文字を絵として見立てたので、意味も何も考えなかった。ついでにもう一つ。靴下を一足干してある窓は? その答えは、四。