KIRACO(きらこ)

Vol167「事実は小説よりも奇也」

2024年5月23日

湊町暮らし

民信なくば立たず、連日して自由民主党の裏金問題に因る政治不信の風が日本列島を吹き抜けている。自民党は国民の信用回復の為に全精力を傾注し日々必死に会合を重ね問題解決に夢中だ。がどうにも面白くない、その上残念だが国民の一員として興味が持てない。裏金の額の問題ではないが、大リーガー大谷の大金盗難事件と比べて情無い気がする不謹慎か。

世界の政治は手が付けられない程予測不能な動きをしている。正に「事実は小説よりも奇なり」日本人の常識では計り知れない考え方が無数にある。嘘の塊のロシア政治はKGBそのものだ。

司馬遷の史記、孔子を表す論語等々人間完成に必要なツールとして超一級の書を有する中国の習近平は自国民を己の思い通りに支配する道具として共産主義支配を手段に人民の自由を認めず総べてが国家優先個人の自由は固く取締まっている。プーチンも、習近平も領土拡大政策を推し進め、ウクライナ侵攻、南シナ海を占拠し大暴れだ。原因は米国の弱体化にある。米国がベトナムに負け、訳の解らないイラク戦争、又々イスラエル、ハマス戦争等々で信用を無くし国力も消耗した米国。その後「米国第一」を掲げたトランプ政治が他を顧みず信用を無くし、誇りある指導力が低下した。

片やロシアと中国が力を行使し世界を2分する勢いだ。ロシアがグローバルサウス、中国は東アジアを嘗てのフランスの植民地や米国の関わりのあった場所から米・仏が引き揚げ空白となった跡に水が流れ込む様に中国がモルジブやマラッカ海峡等に拠点を築いている。

ロシア製の武器を採用する印度は人口数で中国を抜き世界一、中国と国境を接する印度は中国との関係は良くない。中国とロシアは米国に対抗することで仲が良い、印度は中国を警戒し、仏、英国、米国と印度洋の安全に協力的だ。

中国は印度に近接するモルジブやセイロンに進出し印度を逆撫し緊張感が高まっている。この為印度太平洋は法に沿った統治を提唱する日本、米国、オーストラリア、英国が中国の侵攻を牽制している。

あれやこれやややこしく複雑な世界情勢の中益々民主主義が危い。こうした状況に関心を示さないトランプ前大統領の言は米国内の経済問題に限っている。こうして米国の大統領選が始まった。

米国と同じ民主主義を標榜する各国の共通の問題は一つは地球環境の地球温暖化だ。各国が挙ってCO2削減を論じ実行する時、トランプ氏は大統領時代わざわざパリ協定を離脱した。理由は温暖化は自然現象で化石燃料の所為では無い、だから化石燃料の消費に問題は無いがトランプの言。

結果自動車、石油石炭労働者は盤石のトランプ支持だ。一つはウクライナ支持をためらっている事だ、支援を止めれば即座に戦争を終わらせられると言っている。これに反発したNATOは砲弾の供給を決意したが。軍事産業の弱体化が顕著に露呈し実行不可。この時プラハの春でソ連に苦しめられたチェコが砲弾を手当てすることに、正に事実は小説よりも奇なりだ。

旬の味「水神祭」

原稿の締め切り宣告を受けた四月三日は船橋市漁業協同組合の「水神祭」だ。別名「舟祭り」と言う。

かつては漁暦がはっきりしていた。東京湾は川崎沖から時計回りに羽田、品川、大森、深川、葛西沖、浦安、船橋、幕張、千葉、市原、木更津、富津沖と干上がると沖合2kmから4kmの干潟が連なり季節に因る日照時間で暖められる海水温が暦と正比例し、生物層の変化も季節の移り変わりに正直で正に漁暦が生きていた。今日では干潟の90 %は埋立ての土取場に干潟は消滅。その為沿岸囲域は深場と化し水温の変化が場所によってまちまちで漁暦と呼ばれる現象は無くなった。しかし水神祭を境に漁師の気持ちは変わりなく今も年間漁労の節目として生きている。明日も頑張ろう。