九月一日は防災の日である。関東大震災の教訓を忘れない、という意味とこの時期に多い台風への心構えの意味も含めて昭和三十五年(一九六〇)に制定された。各地で大地震を想定した訓練を行い、防災に対する人々の意識高揚を図っている。
立春から数えてちょうど二百十日目、季節の変わり目に当たる気象の変化のために、暴風雨がやってくることが多い。現行の暦では九月一日、二日ごろに当たる。早稲の開花期に当たり、台風の襲来を警戒した農家ではこの日を二百二十日と並べて厄日とした。
災害は忘れた頃にどころか、忘れもしないうちにすぐまたやってくる。地震・洪水・津波などのほか、風や雪、火事などと数え上げるうちに、天災ばかりでなく人災も加わっていることに気づく。昔は霊魂や神のたたりと考えられたので、神仏への安全祈願をすることが盛んに行われたし、今なおその考えは続いている。
災は巛と火からなる。巛(曲がり川)はもと真ん中に横の一を加えたサイ(川をせき止め、水があふれる意)であって、水の災害をいう。それに火を加えたから火災の意味になる。順調な生活を阻む火災、生活の邪魔をするものごとをいう、と辞書には書かれている。
災には、息災という使い方もある。もともとは仏教語で、仏の力で災いを止めるの意。日本独特の使い方は身の無事なこと、無病息災などという。無病は無理だ、一病いや数病であっても、何とか元気で前向きに明るく生き抜くことを考えよう。
紙の大きさを分けるのに、A判とかB判とかいう。一般の書類の印刷に使われているA4判の紙の大きさは、二一〇×二九七ミリである。この寸法を二百十日に風吹くな、と覚えると便利で忘れない。