KIRACO(きらこ)

君子は義に喩り、小人は利に喩る

2025年7月24日

湊町暮らし

 今日本人の主食である米価が大問題に。確か一年前頃迄は米離れが取りざたされていた。その為に魚の消費も徐々に降下線を辿りだした。振り返って見れば戦後食糧難の時、米にコウリャンを混ぜたり薩摩芋をサイコロ状に切り炊き込んだり、白米は贅沢な時もあった。その時食糧難を救った対策は米国から小麦粉の輸入だった。

 毎日のようにコッペパンを食べた。その時パン食が絶賛され「パン食は身体に良く、米食は頭を悪くする」等と言われた。徐々にパン食が浸透し今では朝食はパンが増えた。そんな事もあって米食離れが顕著に、そして減反政策が進んだ。結果的に米不足に、合わせて世界的物価上昇もあって米価が高騰、そして米不足に。減反策等どこ吹く風と。明けても暮れても米と騒ぎ始めた。一方中近東ではイスラエルパレスチナガザ地区で完膚無きまでに破壊攻撃し、それを受けたパレスチナ人達がトウモロコシの粥を求めて「まるで養鰻池に餌を投入した時鰻が群がる」様と同じに食糧配給所に一斉に押し寄せる。子供達が押しつぶされるのでは…。異常な光景をTVが間断無く放映している。

 事情は同じで無いが我が国では備蓄米の販売に秩序有る行列が報道されている。なぜ中東では並ぶ事が出来ないか不思議で解らない。順序良く列を作れば能率的だし平等に分けられるはずだ。結束と協力を必要とする国民同志が敵対して争っている、どうもやり切れない、悲しくなる。日本も太平洋戦争に際し物資不足に、元々資源の貧しい国が、戦線を拡大し続け、兵站の機能不足を現地調達の作戦に無理が。元来戦は農作物(食糧)の収穫期に作戦が実行された。長期に渡る近代戦は兵站の良悪武器弾薬の性能で決まる。それには科学を軽視しない事、産業文化の発展も然り、トランプ大統領がウクライナ支援を商取引レベルの損得計算に、またハーバード大学への経済的支援を停止したり、WHOやパリ協定から離脱したり目先の損得計算だけで事を進めている。

 我国も歴史的経験を活かし長期的に事を進めるべきだ、欧州では第2次世界大戦以後、食糧自給率100%を目標に努力しほぼ達成している。万一の場合の備蓄も一年分程は確保と聞いている。日本の自給率は30%。

 食糧安全保証は武器弾薬、即ちミサイルと同じく国家の運命を左右するもの国家レベルで安心安全の対策で考えるべきだ。また国家の安全保障に関してはウクライナ、ロシア戦から学び武器の近代化を。先の戦の巨艦巨砲主義の失敗を忘れてはならない。

 米価に戻るが折角古古古米が安く放出されるのに安過ぎるとか、マズくはないかとか、放出して無くなれば次に新しい米を補給すれば良い。元々備蓄米は補給する物、この際良い訓練だ。

 あらゆる面で学問は必要不可欠で目前の損得計算のトランプ流は大きな間違いだ。

 君子は義に喩り、小人は利に喩る、経済的損得勘定だけで事の判断を進めるのは愚かだ。そして全ては信なくば立たず。

旬の味

 毎土曜日、目前に展開する東京湾の魚を肴に食事会「会続(海賊)」を続けている。毎回刺身にワサビ純日本食毎回の楽しみは盛付けだ。直径40㎝の大皿に、これぞプロだとメンバー一同目をみはる。

 最近数回目先を変え、イタリアンで、魚のカルパッチョとマリネだ。メンバーの酒へのこだわりがワインに、話の種の広がる世界にフランス、スペイン、イタリア、アメリカ、チリ、アルゼンチンと話ははずむ。普通魚料理は白ワインが、当会メンバーは赤が好みだ。カルパッチョはドレッシングでマリネは漬汁、この席のイタリアンは和風との混血だ。新たな分野と言える。シェフは船橋で和食の老舗、東金街道の起点に在る「稲荷屋」の伜、元板長だ。

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