KIRACO(きらこ)

Vol149 えーっ、そうだったの

2021年6月24日

編集室から

えーっ、そうだったの

習志野市に香澄公園という緑豊かな公園がある。
正しくは「習志野緑地」。国道357号、東関東自動車道、JR京葉線に沿った細長い公園で、その先、海までは工場地帯として埋め立てられたので、公害発生源から住宅地を守る「緩衝緑地」としてつくられたと聞いている。
埋め立てに始まってゼロからつくり上げられた公園。
一木一草に至るまで計画的にデザインしてつくったに違いない。とすれば植栽の台帳のようなものがあるはず。
それを見せてもらって『香澄公園花ごよみ』なるものを作ろう。読者が花を楽しむのにきっと役立つ。
うん、これはいい企画だ。とずっとあたためていた。

それが実現したのが前号(148号)の「行け行けKIRACO探検隊・森と野原をめざして35年目・香澄公園」。

当時、この工事にたずさわった職員の方に市役所でお話を聞いてみると――。
あの工事は単年度で整備。造成から植栽までわずか1年。
照葉樹を中心自然の森にするという考え方。枯れても後植しないし、鳥の糞から芽吹いたものはそのままに。
そして35年。ほんとうにほんとうに、いい意味での「後は野となれ山となれ」なのだと思う。

この特集に「以前から不思議な“森”だなあと漠然としたものがありました」「水たまりにザリガニがいたのでスルメを持って子どもと釣りに行きました」「埋め立てでたくさん貝が死んだのだからあそこに貝神社を…なんて酒を飲みながら話したことも…」などの声が寄せられている。 (郁)