KIRACO(きらこ)

Vol153 いつまでも若くないのね

2022年1月20日

吉成庸子さんのコラムを読めるのはKIRACOだけ

夕べは半月の美しいお月様が夜空をかざっていてくれたのに今日は雨。
冬の雨は冷たくてホントに無情だ。おまけに風も少し強い。

時折横殴りの雨となって、遠慮なく髪の毛や肩を濡らしてくる時がある。
「コロナのワクチンだけじゃなく、インフルエンザも打たなければダメよ」と友人から注意されていた私だけど、「ヘイチャラよ。まったく元気だもん!」と威張っていたのに雨に打たれたのが悪かったのか、とうとう風邪をひいてしまった。
始めは鼻が出る位だったが次は喉が少し痛くなってきた。そのうち足や手の節々が痛い。そして何だか熱っぽい感じになる。
「不死身のヨウコちゃん」と呼ばれている私、この位の事で休んでなんかいられるか!。と自分に自分にハッパをかけて休まず出歩いていた。
その上アレルギーなのだろうか?クシャミは出るし涙も出てくる。頭はいくらか痛いし、どうもやる気が出ない。だけど、私は家の中でじっとして休むという考えが全くないのだ。コロナじゃないから出かけても皆様にご迷惑はかけない。
それより欠席するのは失礼だと信じている私、昼も夜もお出かけを続けた。

帰宅したらすぐに眠ればよいものを、本を読みだす。
朝目が覚めたら本がバサッと顔にかぶっていたので、アー眠ってしまったんだなと思った。
ただ食欲だけは何となくないような気がした。
外にいると仲間もいるので楽しく一緒に食事をするからいいのだけど、一人だと面倒くさい。だから一人で家にいるときはついつい簡単なものですませてしまう。
私の好物の一つにきんつばがある。
浅草で昔から売られているこのきんつばは甘さもほどほど、皮の薄さも完ぺきだ。もう他界されてしまわれたが市原在住で郷土誌を出しておられたおじいちゃまがこのきんつばの大ファンでよく頂戴した。
おじいちゃまは天国に行ってしまわれたが、自分でもよく買う。
そんなわけで、この間は我が家に六個のきんつばがあった。

その日は珍しく一日家にいる予定の日だ。
そうだ、何も他のもの食べなくても朝昼夜と二個ずつきんつばを食べてポカリスエットの飲んでおけばOKだとわたしは思いそれを実行した。
別におなかがすくわけじゃなし、本もどんどん読めた。書き物もすらすら書けた。
その翌日、外出予定があったのだが掃除と留守番をお願いしている方が、都合が悪いと電話が来たので、「だいじょうぶよ。今日は一日家にいるから」といったのだった。そして、さて、パン食べよか、サトウのごはんをチンしようか迷ったがどちらもやめた。
頂戴したチョコレートを見つけたのだ。
美しい小箱には十個のかわいいチョコが入っていた。

私は昔、遭難した方がチョコレートを持っていてそれを食べて生き残ったという話を思い出して、今日は一日はチョコですまそうと即決する。チョコとポカリと炭酸水少々で一日が過ぎた。

その夜は遅くまで、電話があり眠りについたのは深夜の二時過ぎ。
なかなか寝付かれず、ウトウトとしたと思ったら六時だった。私はあわてて起きた。
その日は「全国おかみさん会サミット」で大宮まで行かねばならない。
大宮には二時間いてその後は芝居の方と打合せがあり、横浜へ行く予定。
そして夜、幕張のホテルグリーンタワーで行われる会に出席する予定。

簡単に化粧して、車に乗り、ひたすら大宮へ。
大宮の会場のホテルに入ろうとした瞬間目が回ったのだった。
初めての事なので、助け起こされて自分でキョトンとしてしまった。

ロビーで少し休んでいたらめまいはおさまったが、なんとなく身体がフワフワするので、そのまま車に乗り、千葉へ帰り横浜での打合せは休ませてもらった。
自分の店で少し休んでからグリーンタワーの会に出席。
ひどいめまいは再び来なかったが、つくづく身体は大切にしなければと感じた。
自分では若いと張り切っていても、年齢は確実に追いかけてくるものネ。
翌日病院へ行ったが特に重大な病気ではないとの診断にホッと一息。でも寝不足を注意され。三度の食事がいかに大切かも言い聞かされる。
食パン一本買ってきて、切るのも面倒くさいので、はじからつまんで食べているのを友達が見てビックリ仰天してたっけ。おまけにアオカビも生えてきて。
おいしいものが大好きな私だけど、読んだり、書いたりに熱中してしまうと食べ物はどうでもよくなる。
あれ以来「きちんと食べてる?」。「寝なきゃダメよ」。「若くないのよ」とたくさんの方に注意されている。
ありがたいとおもわなきゃね。
なんだかとても素直になっている私なのです。
でも新年は若返る努力をしよう。
充分な睡眠や栄養に気をつけて。