Vol142 東京湾から令和を見る(6) 「令和に期待」

東京湾から令和を見る(6) 「令和に期待」

税金を納め「職業選択の自由」のもと子供を育て、日本国の食糧タンパク源の自給に貢献してきた善良な漁民が代々命として大切に守って来た漁場「三番瀬」を一瞬にして「ヘドロ」が覆い尽くし、貝が全滅。貝漁師は突然失業する。

河川管理事務所の役人は「漁師は自然の貝を漁り、手間ひま掛けて養殖したものでない」と軽くあしらう。忘れてはならないことは、これが自然破壊であり、自然環境軽視だ。この事は台風に因る大雨の被害で人為的ミスは無いと役人は胸を張る。漁師には死活問題なのに、鼻の先で笑い、「漁場の事は農水省に掛け合ってくれ」とおくびにも掛けない振舞いだ。台風が年々巨大化している、原因の一つは人類の活動、生息が大量のエネルギーを消費し、CO2 を増し地球温暖化を促進し気象変動を引き起すことで被害が年々増大し、世界的経済活動に脅威を与え、経済的価値を重視する金融機関もが環境問題を論じるようになった。

こうして我が国の食糧自給率が下がった。四面海に囲まれた島国日本は魚まで世界から輸入している。地球上の人口は増加の一途を辿っていて、いよいよ食糧が足りない、飢餓に苦しむ民が難民となり、世界中に政治不安が生じている。欧州も米国も。この難民の発生も異常気象が一因だ。極めて雨量が少なく旱魃によって農業に被害が、世界の1╱3が砂漠化していると云う。

こうした状況下で未だに東京湾を守る抜本的な思想がない。湾は一つなのに、神奈川県、東京都、千葉県と別々で湾は一つの生態系と考える政策が無い。

湾から漁師が消えたら、朝な夕なに観察する者がいなくなる、東京湾は地球環境の大事な窓なのだ。今年は世界中から人々が集う「オリンピック(五輪)」が東京で開催される。この「五輪」が絶好のビジネスチャンスとエコマークを取得して儲けようと、環境団体と反りが合わなかった連中が得物を目の前にして突然エコエコと鳴いている。これに釣られて若い消費者が心地良い鳴声に共鳴。そしてこの消費者の多くは新聞等の広告ビラの赤い図柄に大きく影響され、マグロ、サーモン、えびを好む。結果的に津々浦々の雑魚が見向きもされない。料理の仕方は、ほとんど包丁技術は必要ない。雑魚を捌くのは難しい。「東京五輪」で屋形船が人気になるかも。そこでは江戸前伝統グルメ「てんぷら」が、ネタは元々江戸前の魚介だ、「ハゼ、キス、メゴチ、芝エビ・車エビ、アサリ、バカ貝、穴子、海苔」等、ほとんど今となっては東京の海では少なく、芝エビ、車エビ、メゴチ等はほとんど見られない。これも、経済振興策により沿岸域の、葦原、干潟、藻場を埋立て浚渫し土地造成、港湾建設が稚魚の揺藍の場を消滅し破壊し、今は昔の面影もない。この場所が「五輪」会場だ。「東京五輪」は1964 年にも開催された。当時は全国一の海苔漁場が羽田沖から大井、大森、品川、葛西と広大な浅海域に、目を見張るばかりの海苔篊が展回していた。この海域は1963 年に漁業権が放棄され全部陸地化した。漁師の一部は屋形船の経営で成功している。こうした背景で2020 年の「東京五輪」が催される。地球環境と持続可能な資源活用を標榜する「五輪」の主旨に、何とも意味深な大会だ。

そこで商う水産物はエコマーク優先だ。水産庁はエコマークを付けることで漁業者に環境を守る競争をさせたいといっている。かつて昭和40年、50 年代海洋汚染が当り前の時、人工孵化した「スズキ」の稚魚が20万、30万匹と放流した。体長3センチ4センチだ。その時海は汚れていて、そこに放流するのは残酷に思えた程だった。この稚魚たちの親は七匹、八匹だった。稚魚は鷗に食べられ、汚水にまみれ散々だった。おもわず「漁場環境」の改善が先だと県水産部に訴えたら「環境」は環境部でといわれた。

昭和、平成は経済最優先で環境は二の次、その都度無視して来た。結果は環境破壊が進み持続可能な生態系が失われた。これらを根底から見直すことが令和にかせられた仕事だ。

「旬の味」 

毎年2月は資源保護月間で1カ月間休漁だ。この間のホームパーティーは1月の漁獲から適当に選び冷凍して置く。家庭の冷蔵庫だから本格的な物は出来ないが、コハダは1 00匹程三枚にし、塩で5~6時間締めた後塩を洗い酢に漬けて保存する。日本酒なら三杯酢で、ワサビ醤油があっても良い。ワインではカルパッチョかマリネに。サワラは長さ10センチ程に輪切にし三枚にして冷凍、解凍して食す時は皮を剥ぎ、刺身、皮付きで塩焼、冷凍せず、塩麹かカス漬に。太刀魚は輪切に適当な大きさに、直ぐ食すなら、刺身に、後日なら冷凍に。ニンニク、バターで焼き色が付くまで焼く。日本酒にもワインにも合う。スズキは端境期で味が夏と比べて落ちる。そこで寒干しすると味が濃くなり「ナベ」でも良い。食すまで冷凍して。解凍後ホイル焼きが手間が掛からず、お勧めだ。三枚に下ろした身肉をアスパラガス、きのこと一緒に塩胡椒し出来ればバジルソースをたっぷり掛けて焼く。香りも良く味も良し、人生万歳。