食物を料理する。その時の調味料を入れる順序はサシスセソという。最初のサはもちろん砂糖である。
砂糖の糖、漢和辞典の扱いは無味無臭無糖。米+ 唐(音)とあるだけで、唐についてはあめ、とあるくらい。でも辞書は引いてみるものだ。人名の特別な読みで、あら。米偏に堂などの異体字は六つもある。コンペイトーに至っては、ポルトガル語で金平糖・金米糖などの当て字を使う、昔はケシの実を核にしたという製法までも教えてくれる。
ところで砂糖は近頃どうも悪者にされているようだ。砂糖を科学する会というのがあって、砂糖に関する肥満・糖尿病・虫歯の三つの誤った噂を解決するために、国際的な視点で、さまざまな検証を行っているということである。
砂糖の使用量は年々減っているのに、肥満の割合は増加の傾向にある。砂糖はご飯と同じ一グラムで四キロカロリー。肥満の原因は食事から摂るエネルギーと生活で使うエネルギーのバランス不良が原因である。それなのに砂糖は一方的に責められている。
糖尿病という病名からも砂糖は損をしている、誤解されている。糖尿病はインスリンの不足によって血糖値が異常に高くなり、尿に糖(ブドウ糖)が含まれたものが排出される慢性の病気。糖尿病の原因は生まれつきの遺伝的体質や高カロリー・高脂肪食などの食習慣、肥満や運動不足などの生活習慣、さらにはストレスが原因という。
虫歯の原因は口の中の衛生管理であり、砂糖の摂取量とは無関係。
砂糖に罪を着せるのは誤りである。バランスよい食事、適度な運動。規則正しい生活で毎日楽しく、脳も身体も元気に過ごそう。
砂糖が珍重された時代もあった。敗戦後の一時期。選挙演説でこう言って当選した人があったとか。
「皆さん、今欲しいものは何ですか。砂糖ですね。私がそのサトウです」